秘密。
「近くまで送るよ。って言うか、よくここまで来れたね。この辺り街頭が少ないのに…」




顔を俯いかせたままの木庄さんの様子がおかしい事に気付き、僕は彼女の肩に触れた。


「木庄さん? 大丈夫? 気分悪いの?」

「……ぅうん…。大丈夫、だよ」

「そう? …じゃ、行こうか」



木庄さんと僕は、家から出て玄関に鍵をかける。



電気とか点けっぱなしだけど、まぁ、すぐに戻るつもりだから放っておいた。


近くまでの大通りへ歩く中、僕はチラリと隣の木庄さんを見た。

柔らかいウェーブが肩につくかつかないかぐらいで、ユラユラと揺れて、大人しいのが印象のメイクをしている。




基本的に木庄さんは大人しい。





逆にカナコは社交的だ。明るくて友達も多いようだが、僕の推測では男友達も多い。同時に、まだ学生のカナコは遊びたがる年頃なんだろうな…。



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