忘れたくない恋【完】
翼
「嫌いぢゃねぇよ……
俺もずっと好きだった。
今まで苦しめてごめん。
迷いとか意地とか張ってた。
でも今は言える。満月が好きだ。
俺ら…………戻ろう?」
ドクンッと心臓が弾けた。
更に溢れ出す涙。
満月
「わあああ~!!
翼のバカ~!大好きだよ~!!
もう離れないで~!!!」
あたしはもっともっと強く翼を抱き締めた。
そしたら翼があたしの顔を上げて
親指で涙を拭ってくれた。
よく見れば翼の手は男の手をしていた。
他にも、
包み込まれそうになる掌は
案外大きくて、
翼の背丈はあたしより遥かに高くて
翼の背中はすごく広くて
翼の胸の中は何よりも温かかった。
そして翼の大きい瞳は優しい瞳をしていた………
チュッ
翼
「愛してるよ満月。」