忘れたくない恋【完】






「嫌いぢゃねぇよ……


俺もずっと好きだった。
今まで苦しめてごめん。
迷いとか意地とか張ってた。
でも今は言える。満月が好きだ。

俺ら…………戻ろう?」








ドクンッと心臓が弾けた。




更に溢れ出す涙。




満月
「わあああ~!!
翼のバカ~!大好きだよ~!!
もう離れないで~!!!」



あたしはもっともっと強く翼を抱き締めた。




そしたら翼があたしの顔を上げて
親指で涙を拭ってくれた。



よく見れば翼の手は男の手をしていた。

他にも、
包み込まれそうになる掌は
案外大きくて、

翼の背丈はあたしより遥かに高くて

翼の背中はすごく広くて

翼の胸の中は何よりも温かかった。




そして翼の大きい瞳は優しい瞳をしていた………










チュッ












「愛してるよ満月。」










< 111 / 160 >

この作品をシェア

pagetop