忘れたくない恋【完】
★2安心
目をぎゅっと閉じたあたしは、
痛みが走るはずの左の頬に
痛みが走らない事に気がついた。
ゆっくりと目を開けたらそこには……
満月
「つっ………………ばさ……」
あたしは安心したのか次々に
涙が頬に伝う。
翼
「満月に何してんの?」
あからさまにキレている
冷たい瞳の翼を見るのは
初めてだった。
翼は問題事が嫌いだったから
平和主義者だった。
でも翼の右手にはギャルの
振りかざした右手があった。