忘れたくない恋【完】
サビの部分が来た。
“忘れないよ。
君を愛した気持ちだけは
捨て去れないから
いつの日か……
いつの日にか僕からの
想いも君におくるよ。
遠い空も見上げてみれば
同じように感じあえるかな?
これまでもこれからもずっと
祈っている。君の笑顔耐えぬように…”
スーーー……っ。
あたしの頬に涙が伝う。
毎回この歌を聞くと泣いてしまう。
当てはまりすぎていたから。
歌ってすごいよね。
元気をもらえる。
あたしだけが苦しいんぢゃない
って教えてくれる。
満月
「ずるずるっ…っうぅっ。」
歌い終わった有美があたしを見て
始めはビックリしていた。
でもすぐに優しい瞳に変わり
そっと頭を撫でてくれた。
有美
「まだ忘れられないんだね。
満月は一途だね。つらいよね…」
そんな風に切ない顔で声で
有美が優しくささやくから
あたしは余計に涙が溢れて
とうぶん止まらなかった。