忘れたくない恋【完】
10分後~
満月
「落ち着いた?」
あたしは優しく明日香の背中を
擦りながら聞く。
明日香
「ありがとう!もう大丈夫!」
涙で顔がぐちゃぐちゃだった
明日香の顔に笑顔が戻り、
一安心をするあたし。
満月
「んで、なんで泣いてたの?!」
明日香が落ち着いた今
やっと本題に話しを戻した。
明日香
「だってさ、なんかすごい
切なくなってきて。
明日香は満月みたいに強く
なくて…でも満月は苦しい中
いつも笑顔絶やさずにいてさ…
なんか頑張ってたんだなあ
って思ったら泣けてきたの。」
明日香の言葉を聞いた瞬間
あたしの心の中の何かをえぐる。
あたしの中の何かが崩れた音がした。
満月
「…………えっと………ぐすっ。
…………あっ…ごめん…。」
気が付けばあたしの瞳から流れた
水が頬を伝っていた。
我慢なんて出来なくて……
涙でぐちゃぐちゃになりそうな
顔を無理矢理頬を上げて笑って
平常心を必死に保つ。
……………がっ、
次々と溢れ出す涙で明日香の顔すら見えなくなった。