忘れたくない恋【完】
「はい」
眠たそうに目を細める真ん前にいる人。
そう…今度こそ翼だった。
ドキドキ……ドキドキ……
あれ?翼、制服姿だ。
ジャージか何かでも来てて
慌てて着替えてたからあんなに
遅かったのか……。
まじまじとアップで見る翼の顔は
やっぱり相変わらずかっこよくて
可愛くて……やっぱり照れ屋で。
満月
「寝てたの?!」
ちょっとテンパりながら聞くと、
翼
「寝てなかった。」
と答えた翼。
でも髪の毛ボサボサだよ…。
ちょっと心の中で笑いながらあたしは本題に移った。
満月
「そっかあ。
あっあの……、これ!」
そう言い紙袋を渡そうとした。
…………………がっ、
今日はあいにくのお天気で雨。
紙袋を渡そうとした手に傘も持っていて
傘が渡そうとする手を邪魔した。