雫-シズク-
「こいつ、親からもっと酷くやられてるから平気だよ。お前部屋まで送ってやれ」
そんな……。
「本当に大丈夫なの?もし具合悪くなったら……」
もやもやする不安を抱えたまま葵さんと亮くんの顔を交互に見る。
「そんじゃ、間に合わなくなるから俺行くわ」
それだけ言うと葵さんはあっさり行ってしまった。
いや、俺だって学校あるんだけど。でもこんな亮くん、一人じゃとても帰れない。
仕方なく学校を諦めて、俺は亮くんを背負いよろよろと学園へ向かった。
途中、背中越しに亮くんが低い声で呟く。
「……わる、……い」
うんとだけ返事をしてなんとか転ばないように学園に着くと、人の気配に注意しながらこっそり亮くんの部屋に入った。
そんな……。
「本当に大丈夫なの?もし具合悪くなったら……」
もやもやする不安を抱えたまま葵さんと亮くんの顔を交互に見る。
「そんじゃ、間に合わなくなるから俺行くわ」
それだけ言うと葵さんはあっさり行ってしまった。
いや、俺だって学校あるんだけど。でもこんな亮くん、一人じゃとても帰れない。
仕方なく学校を諦めて、俺は亮くんを背負いよろよろと学園へ向かった。
途中、背中越しに亮くんが低い声で呟く。
「……わる、……い」
うんとだけ返事をしてなんとか転ばないように学園に着くと、人の気配に注意しながらこっそり亮くんの部屋に入った。