雫-シズク-
右半分の顔に砂利が食い込んで刺すような激しい痛みにめまいを感じた。


「お前、昨日のガキだよな?」


真上から聞こえてきた声にぴくんと反応して横目で確かめると、昨日いた男達がにやにやしながら俺を見下ろしている。


なに?どういうこと?


ひやりとした恐怖で体をかたくさせると、突然わき腹に一発蹴りを食らった。


「うが!」


頭を足で踏まれているせいでこっちは全然身動きがとれない。


なんとか腹を隠すように足をくの字に曲げたけど、今度は背中を思い切り蹴り上げられた。


腹と背中の痛みが頭のてっぺんからつま先にまでがんがんと響き、手と足が勝手に震え出す。


そんななにもできない俺をリーゼントが足に力を入れながら笑った。


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