雫-シズク-
でも俺は止まらない。
止められないんだ、どうしても。
死んでなにかを伝えたかったはずの葵さんのために。
葵さんがこの世に存在したことをけがされないために。
「こっちに来い!」
そう言った坂井さんが俺の体を押さえ付けて、病室から連れ出そうと力ずくで引きずっていく。
「なに馬鹿なこと言ってんのよ!頭おかしいんじゃないの!?施設のガキのくせにそんなこと言って、絶対に許さないわよ!」
俺は激しく抵抗しながら甲高い声で騒ぐ母親の方に必死に体をよじった。
そして顔を赤くして俺を睨む母親の怒鳴り声をかき消すように、何度も何度も叫び続けた。
「あんたが葵さんを殺したんだ!」「葵さんを返せ!」と。
止められないんだ、どうしても。
死んでなにかを伝えたかったはずの葵さんのために。
葵さんがこの世に存在したことをけがされないために。
「こっちに来い!」
そう言った坂井さんが俺の体を押さえ付けて、病室から連れ出そうと力ずくで引きずっていく。
「なに馬鹿なこと言ってんのよ!頭おかしいんじゃないの!?施設のガキのくせにそんなこと言って、絶対に許さないわよ!」
俺は激しく抵抗しながら甲高い声で騒ぐ母親の方に必死に体をよじった。
そして顔を赤くして俺を睨む母親の怒鳴り声をかき消すように、何度も何度も叫び続けた。
「あんたが葵さんを殺したんだ!」「葵さんを返せ!」と。