雫-シズク-
まわりからタダ飯を食う悪い奴って冷やかされて、体を縮めて泣いたっけ。
生活に必要な物全部が不自由で、新しいなにかが欲しいと思うだけで罪悪感まで感じてた。
そんな学園にやっと居場所ができたのは葵さんのおかげだったけど。
その葵さんだって結局一人で死んでしまった。
「俺とうとう出て行けって言われたよ。次行く所がどんな場所か知らないけど、問題児専用の施設もあるって聞いたことあるからきっとそっちだろうな」
ぼんやりした月に向かって話しかけると、そのまま俺の声が葵さんに届く気がした。
「家族みんなが笑顔の家庭なんてありえない奇跡なんだな。俺らは与えられた居場所で歯を食いしばって生きるしかないんだろうけど。でも、それに一体なんの意味があるんだよ?辛いだけじゃねぇ?」
見え隠れする月に吐き出すように問いかけたあと、苦い表情を浮かべて背後の闇へと振り返る。
眉間にしわを寄せたまま無意識に微かなため息をついた。
生活に必要な物全部が不自由で、新しいなにかが欲しいと思うだけで罪悪感まで感じてた。
そんな学園にやっと居場所ができたのは葵さんのおかげだったけど。
その葵さんだって結局一人で死んでしまった。
「俺とうとう出て行けって言われたよ。次行く所がどんな場所か知らないけど、問題児専用の施設もあるって聞いたことあるからきっとそっちだろうな」
ぼんやりした月に向かって話しかけると、そのまま俺の声が葵さんに届く気がした。
「家族みんなが笑顔の家庭なんてありえない奇跡なんだな。俺らは与えられた居場所で歯を食いしばって生きるしかないんだろうけど。でも、それに一体なんの意味があるんだよ?辛いだけじゃねぇ?」
見え隠れする月に吐き出すように問いかけたあと、苦い表情を浮かべて背後の闇へと振り返る。
眉間にしわを寄せたまま無意識に微かなため息をついた。