雫-シズク-
そんな独り言でふと自分の気持ちに気付いて、思わずふふっと笑い出してしまう。


「なんだ俺、死ぬ気なんじゃん。まぁ中途半端な量で苦しむより、思いっきり飲んで死んだ方が楽だよな」


そこから妙に吹っ切れた俺は、部屋用に置いている水のペットボトルをベットの枕元から取り出しまた椅子に腰かけた。


「とりあえず出したぶん飲んで、足りなかったら追加するか」


これからの行為とさばさばした口調が噛み合わず、非現実的な雰囲気を感じる。


そしてとうとう俺は酷くあっさりと、錠剤を次々口に含んでいった。


いくつもの粒を掴んでは水で流し込んでをしばらく繰り返すうち、猛烈に煙草が吸いたくなって一旦手を止め机の引き出しを開ける。


無意識に体がふらつきがたがたと音を立てていたけど、そんなことは気にならなかった。


なんとかふわふわと勝手に揺れる手で煙草をくわえてから、ずいぶんまばらになった残量にもっと足そうか考えたけど、思うように思考も続かない。


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