雫-シズク-
こうして再会することをどこかで待ち望んでいた自分に気付き、なんのためらいもなく積もり積もった恨みを一気に放出させる。


「お前らが俺を捨てたせいで俺はどうなったよ!施設送りにされてみんなからおかしな目で見下されて、それでも歯食いしばって生きてっ!とうとうそんなくそみたいな人生綺麗さっぱり捨ててやったからな!」


今ぶるぶると全身が震えているのは、脳天から突き抜けるようなあまりにも激しい怒りのせいだ。


もう恐怖心なんか完全に吹き飛んで我を忘れて叫び続けた。


「自分達だけが楽になればいいっていう根性がどうしても許せねぇ!それでも親かよ!どうせならあの時俺も殺せばよかっただろ!?最初からここに連れてくればよかっただろ!?」


そんな俺の言葉に反応することもなくもぞもぞと小さく動くだけの二つの人影を見て、俺の怒りは更に加速する。


「自殺したなんて知りもしなかった頃の俺は、馬鹿みたいに毎日毎日迎えに来いって願ったんだよ!それをここから笑ってたのか!?なにも知らないでって馬鹿にしてたのかよ!?」


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