雫-シズク-
病院から帰ってきて数日が経ったある日の午前2時半、寝ている俺の頭の上で目覚まし時計が鳴った。
のそりと腕だけを上げて小さなアラーム音を消す。
暗闇であくびを噛み殺した俺は、まだ重い体でぎしぎしと軋む二段ベットのはしごをゆっくりと下りた。
徐々に目が慣れてきて、しんと静まり返った闇に少しずつ物の影が浮かび上がってくる。
その中の一つ、寝る前に机の上にぐしゃっと脱ぎ捨てたジャージをもそもそとたぐり寄せた。
葵さんが起きないように気を使って電気をつけないままでいた癖が、まだ抜けていない。
少しずつ眠気を覚ましながらジャージに袖を通して、寝起きの低くなった声で呟いた。
「今日、大宮さんにお礼言わなきゃな……」
俺は桜井さんの強い説得のおかげで結局学園に残れることになった。
のそりと腕だけを上げて小さなアラーム音を消す。
暗闇であくびを噛み殺した俺は、まだ重い体でぎしぎしと軋む二段ベットのはしごをゆっくりと下りた。
徐々に目が慣れてきて、しんと静まり返った闇に少しずつ物の影が浮かび上がってくる。
その中の一つ、寝る前に机の上にぐしゃっと脱ぎ捨てたジャージをもそもそとたぐり寄せた。
葵さんが起きないように気を使って電気をつけないままでいた癖が、まだ抜けていない。
少しずつ眠気を覚ましながらジャージに袖を通して、寝起きの低くなった声で呟いた。
「今日、大宮さんにお礼言わなきゃな……」
俺は桜井さんの強い説得のおかげで結局学園に残れることになった。