雫-シズク-
「これからテストを返すぞー。呼ばれたら前に来ーい。相沢ー」
二年になった6月のある日、中年で細身の新しい担任が国語の中間テストの結果を配り始めた。
このテストに向けて俺はできる限りの勉強をしてきたつもりだ。
もともと部活をしていないから帰るとすぐに教科書を開く。
そして消灯時間を過ぎても机に小さな明かりをともして、遅くまでがりがりと鉛筆を走らせた。
それからほんの少しだけ寝てバイトに行くのは正直きつかったけど、間もなくそんな生活に体も慣れた。
本当はバイト代で問題集や参考書を買いたかったけど、学園や学校での必需品のせいですぐに金がなくなってしまう。
だから俺はひまさえあれば授業の予習復習をひたすら繰り返した。
でも誰でも入れるようなレベルの低い高校にやっと受かった全く基礎のない俺は、取ってあった中学の教科書を引っ張り出すことも多かった。
二年になった6月のある日、中年で細身の新しい担任が国語の中間テストの結果を配り始めた。
このテストに向けて俺はできる限りの勉強をしてきたつもりだ。
もともと部活をしていないから帰るとすぐに教科書を開く。
そして消灯時間を過ぎても机に小さな明かりをともして、遅くまでがりがりと鉛筆を走らせた。
それからほんの少しだけ寝てバイトに行くのは正直きつかったけど、間もなくそんな生活に体も慣れた。
本当はバイト代で問題集や参考書を買いたかったけど、学園や学校での必需品のせいですぐに金がなくなってしまう。
だから俺はひまさえあれば授業の予習復習をひたすら繰り返した。
でも誰でも入れるようなレベルの低い高校にやっと受かった全く基礎のない俺は、取ってあった中学の教科書を引っ張り出すことも多かった。