雫-シズク-
それから他のテストも帰ってきたけど、全部似たりよったりの点数で放課後にはぐったりと疲れきってしまった。


たとえ平均以上でもそれがなんの意味もないことは俺にだって十分わかる。


どうしようもない敗北感をひしひしと背中に感じながら、肩を落として学園に向かった。




数人の子供達が玄関で嫌っている子供の靴紐をせっせと抜き取っている様子をシカトして、食堂の片すみで話し込んでいる指導員に挨拶もせず素通りしていく。


そして背中を丸めたまま部屋のドアを開けたあと、どさりと机にかばんを投げた。


手早くジャージに着替えて椅子に座り目の前のかばんに重い頭を落とす。


いつもならここで教科書を開いて勉強を始めるところだ。


でも今かばんを開けると見たくもないテストが出てきてしまう。


はああと大きなため息をついて俺はかたく目を閉じた。


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