雫-シズク-
本当は三年になってから新しい担任に相談しようと思っていた。
でも独学の勉強方法に不安もあるし、自分のレベルがこの学校内だけでしかわからない現状を無視し続けるわけにはいかない。
俺は腕を組んで小さくうなる菅野の横で静かに言葉を待った。
「二年になってからずいぶん頑張っているもんなぁ。たしか二学期の中間からずっと学年トップだったよな?……そうかぁ、医大が目標だったのかぁ」
そこから菅野がなにかを考えるように俯いたあと無言になってしまった。
きっとそれは少しの時間のはずなのに、また相手にしてもらえないかもしれないという気持ちが、胸の真ん中にある唯一の希望をはしからどんどん黒く塗り潰していく。
「浅野は予備校とかに通っているのか?」
「……いえ、そんな金ありません。ずっと教科書だけです」
すると菅野がまた目を見開いて俺をぱっと見上げた。
でも独学の勉強方法に不安もあるし、自分のレベルがこの学校内だけでしかわからない現状を無視し続けるわけにはいかない。
俺は腕を組んで小さくうなる菅野の横で静かに言葉を待った。
「二年になってからずいぶん頑張っているもんなぁ。たしか二学期の中間からずっと学年トップだったよな?……そうかぁ、医大が目標だったのかぁ」
そこから菅野がなにかを考えるように俯いたあと無言になってしまった。
きっとそれは少しの時間のはずなのに、また相手にしてもらえないかもしれないという気持ちが、胸の真ん中にある唯一の希望をはしからどんどん黒く塗り潰していく。
「浅野は予備校とかに通っているのか?」
「……いえ、そんな金ありません。ずっと教科書だけです」
すると菅野がまた目を見開いて俺をぱっと見上げた。