雫-シズク-
だから僕は自分を守るためにまわりのことは気にしないようにした。


そして毎日寝る時に、お父さんとお母さんに一生懸命お願いするんだ。


「お父さんお母さん、お願いだから僕も今すぐ連れて行って。お父さんとお母さんのところに行きたいよ。お願い迎えに来て」


がんばってたくさんお願いすれば、待たせちゃってごめんねって、早くこっちにおいでって両手を広げて僕を呼んでくれるんだって、涙をふきながら目をつぶる。


だけど目が覚めてがばっと起きると、僕はいつも同じベットにいた。


あんなにお願いしたのにまただめだったんだ、まだがんばりが足りなかったんだってすごくがっくりする。


そのたんび心がぎゅっとつぶれそうになって痛い痛いって悲しい声を出すんだ。


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