雫-シズク-
僕の後ろから亮くんの小さな泣き声が聞こえてくる。


昨日は家に帰ってたのに、どうしてあんな傷ができるの?


なにがどうなったのかわからないまんま部屋に入っていくと、葵さんはベットに寝転がっていた。


まだ寝てるのかな?


「……ただいま」


ちらちら葵さんを見ていると僕の声で目だけ動かしてこっちを見たから、起きているみたい。


僕はかばんを机の上に置いてぎぃぎぃうるさい椅子に座ると、さっきの亮くんの顔を思い出した。


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