雫-シズク-
今日は学園の心理療法士の佐藤さんと、月に一回のカウンセリングがある日。
ここに来てすぐからカウンセリングは受けていたけど、なんの意味があるのかまだよくわからない。
いつも学校や学園で思ったことを聞いてくる佐藤さんに本当のことを話す気もないし。
だってずっと前にランドセルを家から持ってこなかったからどうしたらいいか相談したことだって、こうしたらいいという答えもないままだから。
みんなランドセルで僕だけかばんなのが嫌なのに、仕方ないから我慢している。
お母さんが買ってくれた大切なかばんをはずかしいと思う自分も嫌いになりそうだけど、やっぱり誰も考えてなんかくれないという黒くて小さなチリが心につもっていく。
学校から帰って部屋に戻ると、面倒臭く思いながら一階の指導員室に行ってドアをノックした。
「はーい、どうぞー」
ドアを開けて中をのぞくと髪の短い佐藤さんがいた。
ここに来てすぐからカウンセリングは受けていたけど、なんの意味があるのかまだよくわからない。
いつも学校や学園で思ったことを聞いてくる佐藤さんに本当のことを話す気もないし。
だってずっと前にランドセルを家から持ってこなかったからどうしたらいいか相談したことだって、こうしたらいいという答えもないままだから。
みんなランドセルで僕だけかばんなのが嫌なのに、仕方ないから我慢している。
お母さんが買ってくれた大切なかばんをはずかしいと思う自分も嫌いになりそうだけど、やっぱり誰も考えてなんかくれないという黒くて小さなチリが心につもっていく。
学校から帰って部屋に戻ると、面倒臭く思いながら一階の指導員室に行ってドアをノックした。
「はーい、どうぞー」
ドアを開けて中をのぞくと髪の短い佐藤さんがいた。