雫-シズク-
でも服は前に頼んだ時、経済的にとてもきびしいと断られているから今回もどうなるかわからない。


学園のお金は寄付や親からの園費でやりくりしていて、余裕がなくて大変だと言っていた。


その他に好きなキャラクターの下敷きや色の付いた消しゴム、流行りのゲームなんかも今まで全部あきらめてきている。


「服ね。うーん、それじゃ相談しておくわね。あとはない?」


あっさり流された僕はそこでだまり込んでしまった。


どうせまた無理なんだろうな。


お金のことはお父さんもお母さんもいない僕にはなにも言えなくて仕方ないと思うし。


そして佐藤さんの言葉で少し考えた僕は、半年くらい前から知りたいと思っていたことを思い出してじっと机を見た。


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