ライアーライフスタイル
驚きすぎて、返す言葉が見つからない。
将来結婚? 冗談じゃない。
ビビビッと来たのは、ただ私の面影から記憶の欠片が疼いただけ。
実際は過去に出会っているのだから、どちらかだと言うのなら運命の相手ではない。
「ぷっ……あははははは」
私は笑いを堪えられなかった。
「ちょっ……俺、本気で言ってますからね」
いい歳した男が「ビビビッと来た」やら「運命の相手」と本気で言っているのなら、余計におかしい。
「面白い人。今度はプロポーズですか?」
「今のは違います!」
“今のは”ということは、いずれはするかもしれないと言いたいのか。
私とあんたが結婚なんて、ありえない。
恋愛さえすることはない。
美人へと生まれ変わった私に興味を持ったのはわかるけれど、私をブスと罵り、傷つけ、地獄へ突き落とした事実がある限り、私があなたを受け入れることは永久にない。