ライアーライフスタイル
04美女の集い
04美女の集い



山村が私の名前を知っても「つる子」を思い出さなかったのは幸運だった。

彼の記憶力が優れていれば、私の正体はとっくにバレていたのだ。

本当はわかっている。

私は、彼に正体がバレること前提で対策を考えねばならないのだ。



山村がここまで私に興味を持つとは思わなかった。

彼はおそらく、これからも私に関わろうとする。

疼いた記憶の欠片を集めるため、何かと私に構うだろう。

仕事で関わっているから、無視を決め込むわけにはいかない。

下手な嘘もつけない。

どうか、ずっと思い出しませんように。

私の正体を知られるくらいなら、しつこく口説かれ続けるる方がましだ。

「だってつる子、ブスじゃん」

この言葉の報復として、ズタズタに傷つけて振ってやることができるのだから。

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