ライアーライフスタイル
彼女の判断基準は損得勘定で快楽主義。
損をすることや他人に縛られることを嫌い、豪華な食事やブランド品を好む。
私よりも男性に対するコミュニケーション能力が高く、自力でどんどんお金持ちの男性と知り合い、複数の人と親密な関係になったり、高価なプレゼントをもらったりしていた。
一匹狼版“港区女子”とでも言おうか。
SNSで自慢したりしないため、隠れて遊びたい堅実派の男性たちには重宝されていたように思う。
つまり、かなり美味しい思いをしていたはずだ。
「そういえば。あかりの婚約者ってどんな人なの?」
「何よ急に。真咲、そんなの気にしたことなかったのに」
「もしかしたら聞いたらいけない人かもって思ってたから、あかりから言ってくれるの待ってたんだよね」
だけど一向に相手の話にはならないから、しびれが切れたというわけである。
あかりは少女のように照れた顔になり、それを隠すように膝を抱えた。
え、なにそれ可愛い。
金持ち相手にさんざん男遊びしてきたあかりがこんな顔になってしまうほどの人だということ?
あかりは半分顔を隠したまま、端的に答えた。