ライアーライフスタイル

「結婚するって、幸せ?」

結婚願望のない私の、素朴な疑問をぶつけてみる。

あかりは即答せず、顔をしかめて唸る。

「うーん……正直、わかんない。まだ籍は入れてないし」

「そんなものなの?」

「幸せにするって言ってもらえて、嬉しい気持ちは大きいよ。でも、あたしみたいな女が結婚生活なんてできるのかなって、不安も大きい」

私には結婚願望がないから、「不安が大きいのならやめておけば?」と言いたくなってしまう。

プロポーズを受けてから、あかりは付き合っていた男たちとの関係を清算した。

彼らからもらったブランド物や宝石類を売り払ったりしないあたりは彼女らしいが、遊びをやめたことによって、暇そうだ。

ハンターのようにギラギラしていたあかりにとっては、つまらないのではないだろうか。


損得勘定を重要視するあかりは、それでも彼のプロポーズを受けることを選んだのだ。

私には計り知れないメリットが、彼女には見えているのかもしれない。


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