ライアーライフスタイル
もちろんこれは冗談で、結婚など誰ともするつもりがない。
私はずっと自分の力で、一人で生きていくつもりだ。
ただ、もしかしたら、あのあかりが結婚しようという気になったように、いずれ考えが変わるかもしれない。
ただし、決して山村の言葉に触発されたわけではない。
「真咲」
「なぁに?」
「いつか好きな男ができた時、俺との関係を清算できるか?」
「さぁ? 誰か好きになってみないとわからない」
主任こそ、バレそうになった時に私ほどの“都合のイイ女”を手放せるのだろうか。
仕事が順調で家庭も円満な新田洋輔だからこそ、体を重ねる価値があるのだ。
私にとっては、この関係は優越感を得る手段であって、救いを求められるような関係なら意味はない。