ライアーライフスタイル
私は、あの頃の私とは違う。
山村に「ブス」だと罵られ、メソメソ泣いたつる子なんかではない。
私は生まれ変わった。
「私、これで失礼します」
サングラスをかけ直し、数分前にあかりが進んだ道へと足を伸ばす。
「つる子! 俺……」
山村が何か言おうとしたが、無視して歩いた。
しつこく追って来なくてよかった。
私がつる子であると思うのであれば、この顔が整形によって作られたものだとわかるはずだ。
そしてそこまでわかれば、私の顔にメスを入れさせたのが自分であるともわかるはず。
あんな男、私に会うたびに罪悪感に苛まれてしまえばいい。
私は自分がつる子であるとは、今後も認めるつもりはないが。
私の8割は嘘でできている。
残りの2割を守るために、私は新しい嘘をつき続ける。