ライアーライフスタイル
自宅の最寄り駅で電車を降り、とぼとぼ歩いて自宅へ向かう。
早く帰りたいけれど、考え事が頭から離れず、歩くことに集中できない。
舟木とのキスに抵抗がなかったことで、私の価値観は大きく揺さぶられた。
もしかしたら私は舟木のことを恋愛的な意味で好きなのかもしれない。
だけど、彼の気持ちを重いと感じる。
ネットや雑誌の恋愛コラムには「重い女」について書かれているものも多い。
重いと感じる要因は、主に束縛や期待だ。
私は舟木一人に縛られることを望まないし、結婚への期待には応えられない。
誠実さに欠けている自覚があるから、深く関わることを恐れている。
相手を安心させ、よい関係を築くための努力を一生続けなければならないなんて、嘘つきな私にはあまりに面倒だ。
恋愛は、お互いが幸せを感じるための関係だ。
苦しい思いをしないと継続できないのなら、恋愛なんてしなくていい。
そう考えてきたせいで、まともな恋愛などしたことがないけれど。