ライアーライフスタイル

私は整形によって美しくなったけれど、人格の根本はブスなままだ。

私が幸せになれるはずがない。

私が愛されるはずがない。

どんなにチヤホヤされても、根底ではそう思っている。

いくら自分を嘘で塗り固め、イイ女を演じたところで、私は過去に受けた傷を癒すために優越感を搾取する卑しい醜女。

「だってつる子、ブスじゃん」

そんなこと、山村に言われなくたってわかっていた。

山村が言うより前から、みんなに陰でそう言われているのも聞こえていた。

世界は美しい者には優しいが、醜い者には残酷だ。

その証拠に、私がブスであったがために、山村と二人の時間を過ごしたことが罪になった。

その罪を私一人に押し付け、周囲に私を傷つけて見せることで、山村は罰を逃れた。

傷ついた私を見て、周囲の人間は楽しんだ。

醜い者を傷つける行為は、大衆にとって娯楽なのだ。

中には泣く私を見て同情してくれた者もいるかもしれないが、私の受けた屈辱が軽くなったわけではない。

いつか山村の口から「つる子、綺麗だね」という言葉が聞けたら、私は彼を許す気になれるだろうか。


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