ライアーライフスタイル
今日はなんてハードな日なのだろう。
ただでさえ舟木の告白で心を消耗していたのに、山村のことまで抱えきれない。
山村が現れるまでは何でも上手くやっていたのに、彼が現れて以降、私の神経はすり減り過ぎている。
こんな時に限ってあかりとはケンカ中で、愚痴ることすらできないのが口惜しい。
一人で生きていくと決めているけれど、一人ぼっちは私の思っている以上に苦しい選択なのかもしれない。
「弦川さん」
山村の呼びかけに、私はやる気なく応える。
「今度は何ですか」
またつる子の話を始めたら、今度こそ無視してこの場を去ろう。
そう決心して彼に耳を傾けたのだが、彼が放ったのは意外な言葉だった。
「今度、二人で食事しませんか」
「は?」
「俺ともデートしてください」
山村は私の予想の斜め上をいくのが本当に上手だ。
何を考えているのか、私には皆目見当がつかない。