ライアーライフスタイル
「そんな言葉で私を口説けると思わないで」
声が震えないよう、めいっぱい力んで言い捨てた。
逃げるようにこの場から立ち去る。
買い物はしそびれてしまったが、これ以上山村と同じ空間にいることに堪えられない。
顔を変え、故郷から離れた土地で生活すれば、美女としての生活を問題なく続けられると思っていた。
山村との再会は致命的な誤算だ。
嘘をついたところで、隠せる真実には限りがある。
必死に構築した嘘よりも、何気ない真実の方がずっと強い。
なぜなら真実は、決して変えることができないものだからだ。
私の8割は嘘でできている。
たとえそれが嘘だとバレていても、私は嘘をつき続ける。
往生際が悪くてカッコ悪くても、嘘をつき続ける。