ライアーライフスタイル
06新たなステップ
06新たなステップ




舟木と山村。

どちらも整った顔をしている。

舟木は一流企業の花形部署勤務、山村は優良な零細企業の稼ぎ頭だ。

つまり、あかりの派手な元カレたちには引けを取るが、経済力は申し分ない。

私には見えていないけれど、彼らの愛情を求めている女は多くいるだろう。

愛想を振り撒いておけば、都合のいい女が簡単に釣り上げられるに違いない。

そんな彼らには、ひとつ共通の欠点がある。

私を好きだと言ってしつこく口説く大馬鹿野郎だということだ。

私なんか愛したって何のメリットもない。

駆け引きを楽しむくらいがちょうどいい。

私に割く労力があるなら、他の女たちを笑顔にする方が有益だ。

私はずっと前から、一人で自由に生きていくつもりで人生設計をしている。

真実の愛とか、守られる安心感とか、そういう不確かなものは必要ない。

若いうちだけたくさん遊んで、満足したところで落ち着き、恋愛とは違った趣味や楽しみを見つけながら生きていく。

あかり以外に友達はいらない。

恋人もいらない。

大きな感動もなければ不安もない、ニュートラルで穏やかな人生を歩むのだ。



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