ライアーライフスタイル
「あのあかりだもん。大丈夫に決まってる」
幸せになることに貪欲なあかりなら、きっと危機を乗り越えているはずだ。
山村が励ますように私の手を握り直した。
「頑張ってついた嘘が効いていればいいね」
温かい言葉に、私は不覚にも泣きそうになってしまった。
山村は私の心を震わせるのが上手い。
いや、過去のことがあって、私が勝手に意識しすぎているだけかもしれない。
いい意味ではないけれど、私にとって山村は特別な存在だ。
「うん」
まだちょっと気まずいけれど、そろそろあかりに連絡してみよう。
山村に背中を押されるなんて不甲斐ないけれど、いいきっかけになった。
もしこの件に山村が関わっていなかったら、私は唯一の女友達を失っていたかもしれない。