ライアーライフスタイル
酔っ払った頭でも、その言葉はガツンと響いた。
そんな言い方、まるで私が山村とだけありのままの自分で接しているみたいだ。
そりゃあ彼は仕事の関係者だし、不用意に嘘をついたりしていない。
近所に住んでいて住まいもバレている。
距離を取りたかったから媚びたりもしていない。
遠慮なく嫌な態度を取ってきた。
私が山村についているのは、私がつる子ではないという、もうほぼバレている嘘だけかもしれない。
「人と関わっていくためには嘘も必要なのかもしれないけど、深く付き合っていくためには腹を割って本音を見せ合わなきゃいけないと思うよ」
「やだ。本音なんて言いたくない。絶対引かれる」
「その可能性もある。ケンカしたり嫌ったり嫌われたり、男女だったら別れてしまったり。でもお互いをシャットアウトせずに受け止めていかなきゃ、誰かと生きていくなんて無理だろ」
また山村の説教だ。
穏やかな口調だからって「はいそうですね」とはならないから。
「私、一生一人で生きていくって決めてるもん」
プイッとそっぽを向くと、彼の腕が伸びてきて顎を捕らえられ、無理に正面を向かされた。
顔が、近い。
「そうやってはねつけないの。俺が今言ったこと、全然わかってないでしょ」