ライアーライフスタイル
02偽りの兄妹
02偽りの兄妹



私は、自分が大嫌いだった。

顔は不細工。

そのせいで性格は根暗で卑屈。

おまけに真咲という男みたいな名前だ。

誰にも害を与えていないのに、からかわれたりいじめられたりする、かわいそうな子供だった。

気が小さいため、やられっぱなしで仕返しもできず、ただ悔しさと悲しさに耐えるばかりの日々。

今思い返しても、私の子供時代は真っ暗だった。

さらに、私が育った家庭は決して裕福とはいえない貧乏家庭だ。

狭くて古い公営のアパートに5人で暮らしていて一人部屋もなかったし、欲しいものややりたいことがあっても、とにかく「お金がないからダメ」と言われ、欲求が満たされることはなかった。

ただでさえブスなのに、オシャレすらできない。

私を不細工に産み、性別にそぐわぬ名前を付け、金がないからと着飾ることも許さず、遊びも勉強もガチガチに制限してきた両親を、心の底から憎んでいた。

大人になった今は両親に感謝している部分もたくさんあるけれど、当時は家も外も敵ばかりで、全然心が休まる暇がなかった。

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