ライアーライフスタイル
念願叶った大学時代。
「近頃の大学生は親の金で遊んでいるだけ」
ハゲ散らかした冴えない教授がそんな暴言を吐いて講堂が空っぽになったことがあったけれど、誤解も甚だしい。
苦学生は思ったよりたくさんいたし、私もその一人だった。
実家からの仕送りはほぼゼロで、誕生日の月に小遣いを貰う程度。
学費は奨学金、家賃等の生活費はバイトをして賄う。
加えて、整形のための費用も貯蓄する。
件のハゲ教授には「朝から勉強して、夕方から夜中まで働いてるよ! 高給貰って大した研究成果を上げていないお前より頑張ってるっつーの!」と怒鳴ってやろうかと思ったけれど、私にそんな度胸はない。
口の悪い教授はいれど、地元にいたときよりは大いに快適なキャンパスライフ。
自分の稼ぎでファッションを楽しむことができたし、メイクである程度カバーすることもできた。
それに、私をブスだと嘲り笑う連中もいない。
周りの子達よりは金銭的に余裕がなかったけれど、親の脛をかじらずに自分の力で生活しているという事実は、いつでも私を励ましてくれていた。