ライアーライフスタイル
そう口に出した途端、ブスだと言われたあの時と同じくらいに胸が痛んだ。
昔教室の隅っこで堪えた痛みと似ている。
山村は、小さくこぼす。
「そうか」
彼の声が震えたのがわかったけれど、私こそ彼以上に震えた声しか出せないような気がして何も言えない。
今までにも私が彼の気持ちを拒否したことはあった。
けれど、彼はいつもヘラヘラ笑ってしつこくつきまとってきていたから、こんな風に受け止められたのは初めてだ。
ねぇ、私に振られてどんな気持ち?
あんたこそ私のこと、本当はどう思ってるの?
しばらく無言で見つめ合う。
先に沈黙を破ったのは山村の方だった。
「あーあ。振られちゃった」
いつもの調子ではない。
声は今でも震えている。
山村は構わず続けた。
「だから俺は今、あんたのことを完全に諦めた。もう何の迷いもなく、行動に移せるよ」