ライアーライフスタイル

大学入学以来、二重メイクはしていたけれど、整形はすぐにバレた。

明らかに顔が変わったのだから無理もない。

メイクなんかとは比べ物にならない、完璧な仕上がりだ。

整形で美女になった私を、周りの脛かじり学生たちは白い目で見た。

「あの子、顔変わったよね」

「あー、整形したらしいよ」

整形に寛容な時代になってきたとはいえ、整形で美しくなった私に対し、犯罪者を見るような目は常にあった。

だけどずっとブスだと笑われてきたことに比べれば屁でもない。

だって美しくなった私への羨望の裏返しだ。

優越感の味を占めたのはこの時だったかもしれない。

美女として第二の人生をスタートした私が目指したのは、美人で賢くて男を手玉に取るイイ女。

外へ出ると、そこはもう夢の世界。

美しくなるだけで人の態度が変わることに感動した。

老若男女すべての人々が、驚くほど私に優しく接するようになったのだ。

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