ライアーライフスタイル
山村が笑っている。
会社に来たらまた私が迎えると思っているようだ。
「好きにして」
会社を辞めたことは言わなかった。
言いたくなかった。
これ以上、彼に干渉されたくなかった。
「話はそれだけ?」
「ああ、うん」
「そう。じゃあ、私帰る」
変わらず無愛想に言い放ち、屋内へと足を進める。
「おやすみ」
やまむらがそう言ったのが聞こえたけれど、私は無視してオートロックを通過した。
頭の中でこの間の「やっぱブスだわ」がリピートする。
これ以上山村と関われば、私だって精神的に参ってしまう。
永遠にさようなら。
今度こそ、あなたとは二度と会わない。