ライアーライフスタイル
一人でベラベラ喋る山村に呆れた視線を向けた。
「バカね。何のために酔った私から連絡先を入手したの?」
「俺が電話したところで、あんた出ないだろ? 出たってどうせ嘘をつく」
確かにそうしていただろうと思う。
「あんたは俺のこと、たぶんすげー恨んでると思うけど。俺、どうしても謝りたくて」
「別に、謝罪なんて……」
いらないのに。
「ごめん!」
私が喋り終える前に、山村の頭が勢いよく下げられた。
「小学校の頃、酷いこと言ってごめん」
やめて。謝らないで。嫌な奴のままでいて。
私はあんたを恨むことで強く生きてこられたのだ。
「利用してごめん。傷つけてばっかでごめん」
いつかこいつが謝って来たりしたら、土下座でさせて無様な姿を笑い飛ばしてやろうと思っていたのに。
感極まって泣いたりなんて、絶対にないと思っていたのに。
泣きたくなんかないのに。
「これからは傷つけてしまった分、癒したい。幸せにしたい」