約束の恋
私、紅林 癒亜(クレバヤシ ユア)には幼馴染がいます。
幼馴染である、赤里 慧(アカサト ケイ)君に絶賛恋中です!
そして、今日も慧君にアタック中。
「けーいーくーん!」
ドドっと慧君に駆け寄り、突進した私。
そして、慧君の腕に絡めつける。
「おはよっ」
無言の慧君だけど
「……、お前なあ…朝から突進してくんなって何度も言ってんだろうが!つーか、その手離せ」
怒りながら私の手を振りほどく、慧君。
そう、私は慧君に嫌われてるのです。
効果も何もない。もう10年の片思いなのです。
私も我ながらすごいなとは思う。
10年ごしの恋いい加減あきらめてもいいはずなのに
諦めきれない。
どんなにアタックしても慧君には効き目もなければ日を追うごとにウザがられている。
まぁ、自分でもウザいっていう自覚はあるんだけどね。
それでも諦めきれないのは――――――
「慧君、おはよ」
彼に恋しているからでしょ!
ニコニコと笑う私にまだ諦めてないのかと呆れ顔な慧君はため息を吐きながらも挨拶をしてくれる。