約束の恋



そんなの絶対にいやっ!!



無理矢理思考を発達させた。

自分の体に張られた細く長い線のような紐の管から神経、感情というありとあらゆるニューロンを巡らせる。


まるで遺伝子実験のモルモットのような。

カプセル――いま居る場所に温かさも冷たさもない。



少しだけ香る薬品のにおいを漂わせた溶液に包まれながら私は膝を抱えている。


ただ膝を抱えていただけで、どんな格好でもよかった。


ぷしゅーと音がし私はゆっくりと目を冷まし、カプセルの中の溶液がさっと引かれるのと同時にカプセルの上が開く。


まるで卵から雛鳥が産まれるような感じだった。


大あくびをしながら体を伸ばす。

「んんっー、…終わったの?」

眠たそうな声を出す私に鈴が鳴るような可憐な声で優しそうに答える。


「はい、今日のところは終わりましたよ」


「そっか」

にこやかな笑顔でいる彼女――雛守 榧野(ヒナモリ カヤノ)さんは白衣天使とも称されるであろう容姿に白衣みたいな服に身を包み、


ここ医療課特殊医療専門班の実質No.2の腕前なのだ。


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