非運日常
2
やっと手に入れた
俺の可愛い可愛い女の子
前々から目で追っていることはあったけど、これが恋だなんていう自覚は無かった
男共が彼女の噂をするたびに嫉妬して、俺の方が知っているんだと優越感に浸って
アイツが彼女をそういう目で見た瞬間、ワケの分からないモノが奥から湧き出てきて、全身の血が沸騰しているかのように熱かった
そこで気づいた
”ああ、俺は彼女が好きなのか”と
初めて会った、あの黒くて暗くて悲しい夜のときから
彼女が、俺を抱きしめたときから
『同じだね』
彼女が、俺に笑いかけてくれたときから
まだまだ彼女に、奥底にある黒くて邪な感情を気づかれてはいけないのだ