私の片想い事情 【完】
「何やってんの、こんなところで?」
背後から聞こえてきたのはすごく不機嫌な隼人の声。
さっきまで女子大生と話していたときとは大違い。
「あっ、西崎さん、お疲れ様です」
瀧川君は私を両腕に挟んだまま、何もなかったように笑顔で隼人に挨拶する。
私の頭の中は、またしてもパニック状態。
なんでぇ~
もう昨日から厄日……
こんな状態、絶対に勘違いされるぅ!
瀧川君から離れようと下にズルズルと動けば、脇に両手を入れられ持ち上げらえた。
「キャ……っ」
自分の声とも思えない小さな悲鳴を零し、あたふたるする私。
「みなみさん、俺まだ話の途中です。逃げないでください」
そんな訳も分からない理屈をこねられ、私はどう反応していいかわからない。
だって、すぐそこに隼人がいるんだもん……