私の片想い事情 【完】
「カズ、みなみが嫌がっているだろ?離せよ」
隼人はチッと舌打ちをしたかと思うと瀧川君の腕を掴んだ。
そう、そうなの!隼人!
私本当は嫌なのっ!
心の中で一生懸命弁解するも、緊張と焦りで言葉にならない。
「そうなの、みなみさん?」
瀧川君はパッと私から腕を離し、肩をすくめて技とらしく驚いて見せる。
その態度にムカついた私はこれでもか、と言わんばかりに首を縦にふってやった。
「なぁ~んだ。真っ赤な顔して潤んだ瞳で見つめられるから誘われているのかと思った」
「なっ-----そんなわけないっ!!」
あぁ、やっとのことで声が出た。
大きく深呼吸して、チラッと隼人を見る。
やっぱりまだ機嫌が悪い。