私の片想い事情 【完】
「は、隼人、クラス終わったの?」
話題を変えようと、隼人に話しかければ、声は裏返り、それはまるで学芸会の台詞を棒読みするよう。
隼人はそんな私を無視して瀧川君に視線を戻す。
「カズ、お前休みだろ?」
「そうなんですけど、みなみさんに会いたくて来ちゃいました」
この子空気読めないの?
何でそういうこと言うかなぁ……
いるかいないか分からない神様に必死でコイツを黙らせてくれと頼むも、虚しい。
「ここは遊び場じゃないんだぞ?」
隼人の声が更に低くなり、あぁ、今の言葉で更に機嫌が悪くなったと感じた。
そんな隼人とは対称的に、瀧川君はコロコロ笑うように答える。
「冗談ですよ。昨日生徒ファイル全てに目を通せなかったから今日読もうと思って……」
「へぇ……」
本当か?と瀧川君を睨むも、にっこり笑顔を返される。
その笑顔がコワイと思うのは、私の被害妄想だろうか?