私の片想い事情 【完】
キャピキャピした女子大生たちもいなくなり、しんと静まりかえったプールサイドでは、菅波君一人が後片付けをしていた。
良い子の菅波君一人にさせるなんてなんてヤツ!
「菅波君、手伝うよ」
そう言うと、菅波君は嬉しそうに笑い、「ありがとうございます」と深く頭を下げた。
そうよね、普通こういう感じよね?とジロリと瀧川君を睨むと、彼は興味深げに菅波君が持っていたファイルを見ていた。
「どうしたの?熱心に見て」
ファイルを覗き込むと、瀧川君が見ていたのは、さっきの女子大生のクラスで……
「あ~あ、俺もこのクラスが良かったなぁ……」
とクラスで一番かわいいと評判の子の個人ファイルを指さしていた。
「やっぱり瀧川君って最低!」
軽く頭を小突き、私はふんっと瀧川君から離れた。