私の片想い事情 【完】
あの衝撃の一夜からあっという間に一週間が過ぎた。
あの夜、結局クーラーと扇風機をつけたまま寝てしまった私は、思いっきり風邪をひき、止まらない鼻水とひどい二日酔いのダブルパンチにうなされ、せっかくの休みの日をベッドの上で過ごした。
情けないことに鼻水は止まらず、火曜日、出勤したはいいが、生徒に移ると鬼マネージャーに鬼のように怒られ、出勤30分で家に帰された。
看病すると言い張る瀧川君を、大したことないからと30分かけて電話越しに説得し、水曜日も大事を取って休まされた私は、留とどめない自己嫌悪に陥っていた。
JOが近いのに、何たる失態。
私のクラスは、瀧川君と菅波君が見てくれたらしく、問題なくスムーズに終わったと聞き、またまた落ち込んでしまった。
絵に描いたようなイケメンコーチ二人に、子どもたちも親もウキウキで、いつも以上にやる気があったと嫌味たっぷりに鬼マネに言われれば、そりゃあ、落ち込む。
暗い気持ちで木曜日に出勤すると、何事もなかったように瀧川君に挨拶され、何だかますます気が滅入ってしまった。
休んでいる間に電話は何度かあったし、ラインでも変なスタンプを送られてきて、あぁ心配してくれる人がいる、とうるっときたけど、瀧川君はあの夜のことは全く触れてこなかった。
もしや、これがツンデレのツンというやつだろうか、とアン○ンの恋愛コーナーを読み返したほどで、そんな自分がすごくバカみたいに思えた。
別に何かしてほしいわけじゃないけど、身構えていた私はちょっと拍子抜け。