私の片想い事情 【完】
うわーーーーん!!
神様の意地悪!スケベ!エッチ!変態!
あんな夢見させるからーーーーーーっ!
私は、Tシャツの袖でぐいっと自分の口元を拭き、涙目で隼人の機嫌を伺う。
「ご、ごめんね。寝させてあげたかったのに、私がソファ占領しちゃって」
「別に。十分寝たし、それに……」
「ん?」
「みなみの寝顔が笑えたし」
「ひ、ひどい!」
ガクッと肩を落としていると、隼人が私のポンポンと頭を撫で、小さいく呟いた。
聞き取れるかわからないその声は、確かに「ありがとう」と言っていた。
何て単純なんだろう。
つい数秒前まで穴があったら100メートルくらい更にほじって入りたいくらいだったのに、その一言で気分が一気に浮上する。
隼人、私、少しは自惚れていいかなぁ?
女として見てもらえなくても、他の人より私には心開いてくれてるって思っていいよね?
もう少し、友達としてなら隼人の傍にいていいよね?
隼人の後ろ姿に、私は声に出して尋ねることができない疑問を何度も投げかけていた。