私の片想い事情 【完】
「和君、おはよう。全部本当よ。和君、みなみはやっぱり不毛なバカだから、遠慮せずにどんどん押しちゃいなさい」
あ、亜紀さん、何のことをおっしゃっているのでしょうか?
「そうですね。みなみさんのペースに合わせていると、あっと言う間に30、40になりそうですもんね」
「そうよ。この子は恋愛不適合者だから、ちょっと強引にしないとダメよ。熱出るくらいがいいのよ」
れ、恋愛不適合者?
それって言い過ぎじゃないですか~?
私を挟んで繰り返される勝手な掛け合い。
キャッチボールが繰り返される二人を交互に見渡す。
二人の笑顔が怖いと思うのは、気のせいでしょうか?
「みなみさんの鈍さと自覚の無さはわかっていたんですけど、ちょっと押しが弱かったな」
「そうよ、この子の無自覚さって犯罪よ」
ポンポンと交わされる会話に、おお、なんて気が合った二人なんだ?いっそのこと付き合えばいいのに、と他人事のように聞いていると、みなみさん、と瀧川君に名前を呼ばれた。
「はい?」
すごく間抜けな顔で答えれば、にっこり笑われた。
うっわ~前にもこの笑顔見たことがある。その後はろくなことがなかったはず、と思っていたら、予想通りの爆弾が落とされた。