私の片想い事情 【完】
「みなみは今日小学生だけ?」
「はい、低学年と高学年のコースだけです。亜紀さんは上がりですか?」
「ええ、もう少ししたら帰るわ」
グロスをひいて「ふふ完璧」と微笑む姿に、またドキッとさせられる。
本当に完璧な美の塊だ。
これ以上彼女を凝視していると、自分と比較して落ち込みそうになるので、私は視線をスケジュールボードに移した。
「隼人はまだ幼児教室ですか?」
「そうみたい。すごい人数よ」
「ほんと繁盛してますよねぇ」
「今日も大人気よ。子供にも、母親にも」
語尾を強調され、やっぱり、と思う。
「問題は起こりませんでした?」
「大丈夫だったんじゃない?まぁ、メアドくらいは聞かれていると思うけど」
「そうですか……」
いつものことだけど、改めて聞くと胸がムカムカする。